2008.09.06(Sat)
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2006.12.14(Thu)
ある日、石川村瀬両生徒は古鷹山に登った。 地球の引力に苛まれる険しい山道だったが、一年間受けた兵学校の猛訓練は それを感じさせない強靭な足腰を作り上げていた。 青々とした古鷹山にも一箇所だけ開けた場所がある。 そこは二人のお気に入りの広場である。 天気の良い日は必ずここで弁当を食べると決めていた。 生い茂る木々に邪魔をされず、広大な海と軍艦を観覧できる特等席だ。 「おっ扶桑が来ている。」 最初にこの場所を見つけたとき、 湾に止まる戦艦大和を眺め感動したのは昨日の事のようだ。 「貴様、また葉隠を持ってきたのか。」 飯の時も本にかじり付く隣の男に、この頃少々呆れていた。 「目が悪くなるぞ、少しは遠くの景観を眺めろ。」 「む……、おい石川あれは何だ。」 先ほどまでは見かけなかった軍艦が見えた。 隣に並ぶ扶桑とは明らかに見かけも造りも違う、遠くから見ても異種の艦だった。 その艦は何か周りのものと交わる事のできないオーラがあった。 「空気が違う……。」 この世界の如何なる物とも交わらない、其処だけが妙に浮いて見えた。 謎の軍艦に見惚れていると、親友がこっそりと声をかける。 「村瀬、あの男は誰だ。」 向こうの岩の上で海を眺めている男は、この辺りでは見かけない者だった。 こげ茶色の帽子に背広の彼は日本人にしては色白で髪の色が少し薄く、 水晶のように澄んだきれいな瞳をしていた。 「あれは…。」 あの人、あの軍艦の空気がついている。 その言葉が喉本までこみ上げたがゆっくりと飲み込んだ。 何者だろうかと話していると、謎の男はこちらに気がついたようだ。
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