2008.09.06(Sat)
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2006.12.11(Mon)
あゝ江田島の二次創作です。 小暮生徒からもらった葉隠れをテーマに 日本人(武士道)についてを語りたいです。 (第一話)葉隠 武士道といふは死ぬ事と見つけたり 古来日本の侍は常に死への覚悟を胸に抱いた。 敵に辱めを受けるぐらいなら迷わず死を選ぶことができる 誇り高き日本の武士…。 「おい、村瀬。」 野太い声と同時に分厚い手の平が肩にかかった。 「貴様、何を小難しげに書など読みふけっとるのだ?」 「石川か。いきなり脅かすなよ。」 石川龍太郎と村瀬眞一、この二人は昨年江田島海軍兵学校に入学して以来の 大親友である。 その頃、ある事情から反骨精神旺盛だった村瀬は入学初日から一号生徒に反抗して目をつけられていた。 【江田島名物…】と称する制裁を受けながらも強情を張って態度を変えない。 同期の生徒ともあまり親交を持たず、どこか暗い影をひそめる彼は何ともいえぬ不思議な雰囲気を持っていた。 厳格な先輩達に躊躇なく反抗できる勇気に、男気を感じた石川は積極的に関係を持とうとする。 最初はなかなか心を開いてはくれなかったが、時が経つうちに徐々にその戸は開いてゆく。 そしてある日、村瀬はその反骨精神の訳と悲しい過去を石川に打ち明ける。 その時から二人は義兄弟のように親しい間柄となったのだ。 「おぉ、それは小暮生徒から頂いた葉隠じゃないか。」 石川は眼を輝かせて興味深々に親友の葉隠れを手にとった。 「俺も今読み始めたばかりなんだが…。」 「まぁ細かい事を気にするな。」 小暮生徒は昨年の一号生の中でも特に厳しく村瀬を扱いた先輩である。 最初は好きでなかったが、生い立ちが似ている事や中学時代の担任が一緒だった事を知り、打ち解けあう。 何よりも彼の扱きは江田島精神と村瀬に対する深い友愛からくるものだと言う事が分かってからは誰にも勝る敬愛と尊敬の念を抱いた。 今此処にある葉隠はその小暮生徒が卒業する時に村瀬に贈呈した物である。 「貴様、早速読書をするとはなかなか感心だな。」 「うむ…俺が思うにこの書は堅苦しい教訓、戦陣訓だけではなく人のあり方と道徳について親しみやすく且極めて純日本的に記しているように思うのだが………。」 落ち着いて語る村瀬に親友は苦笑した。 「そんな難しい事を俺にいちいち語られてもわからんよ…あっ。」 石川は何かを思い出したような顔をした。 「そういや慰問の人達が甘いものをご馳走してくれるらしいから…此処へ貴様を呼びに来たんだった。」 「何!?」 村瀬の表情が変わる。 「貴様それをもっと早く言わんか!!」 「急げ、早くしないと無くなっちまうぜ!!」 この時代甘いものは珍しかった、その上本来二人はまだまだ食欲旺盛な青年だ。 全身が久々の甘味を包み込むまに欲する。 日頃、江田島名物の猛特訓で鍛え上げた強靭な足はまさに俊足。 さっそうと居間まで駆けていった。 今日と言う日も暮れ、窓の外からきれいな月が顔を覗かせる。 午後九時半頃、自習室にて心落ち着かせて兵学校の訓示(五省)を聞く。 「至誠に悖るなかりしか。」 なかりしか、で締めるその訓示は軍人としての理想を静粛に語る。 「言行に恥ずるなかりしか。」 就寝時刻、皆一斉に布団に入り、ラッパの音と共に眠りに落ちる。 「一生落度なく、家職を仕果すべきなり……。」 村瀬は昼間に読んだ葉隠の内容を思い出しながらぼそぼそと口ずさんでいた。 「おい、貴様勉強熱心だな。」 隣の石川が感心してひっそりと声をかける。 「今日学んだ事を忘れないようにしているんだ。」 「そうか、えらいなお前は……。」 「こら、やかましいぞ貴様等!!皆が寝られんじゃないか!!!」 その瞬間、一号生徒のお仁王様のような太い声が部屋中に響き渡った。 ひゃっ恐ろしい、二人とも思わず布団の奥へ潜りこんだ。
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